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おひさしぶりに続きです。すっかり師走ですが…初夏の話です。
うずく右ひざを気にしつつ、それでも初めて走る道は楽しい。なんたって北海道ですから、オホーツクですから。素朴な町並みに映画「幸福の黄色いハンカチ」を思い出す。沿道の人々に手を振り返したりしながら、1時間ほどで最初の休憩場所「道の駅おこっぺ」に到着。はなからグループの先頭について行こうなんて考えていない私。2つ3つ後ろのグループと一緒にのんびり着いた。(このペースを保てればいいんじゃないか。とあまっちょろいことを考えていたが、このあとすぐ泣くことになるとは…。)
ここではうれしいことが!各休憩所では補給食がもらえるのですが、ここで「おこっぺ牛乳」をいただいたのです。その10で書いたように私の体は牛乳・パン・チーズといった洋食を求めていたのですっ。ついに牛乳、しかもその土地の名産の牛乳ですからね!これは走った甲斐ありというもの。芝生に座って飲んだおこっぺ牛乳おいしかった~。一緒にチーズももらえて乳製品はバッチリチャージ。近くにおこっぺアイスという、おこっぺ牛乳を使ったアイスクリーム屋があったのですが、さすがにそこには寄れませんでした。イベントじゃないときにぜひ立ち寄りたいな。行きのバスで知り合ったおじさんとも再会し、しばしおしゃべりタイムに。
しかしここでミス。大満足の私はのんびりしすぎて、気づくと自分のグループが出発してしまったのでした。あわてて後続のグループと一緒に出発。ただでさえ遅いのに、またも差がついてしまいました。
つぎに向かうは紋別市。ルートは小さいアップダウンがあり、グルペット仲間と思しき自転車(速さを目指すのでなくあくまで完走を目的に走る人たち)と抜きつ抜かれつしながら進んでいきます。発見したのは「子供は速い!」特に下りで小学生くらいの子にバビューン!!と一抜きされること何度も。子供用は径が小さいので、上りではこっちがぐいぐい抜かせるんですが、下りがくるとまたもやバビューン!大人の意地にかけて最終的にはちぎりましたが…不毛な争いでしたね。
そうしてるうちにまたもやうずく右ひざ!今度は「…っまじ痛い!!」ズッキンズッキンとペダルを一踏みするたびに痛みが走るようになってしまいました。
「うそお、まだ100kmあるんだけど!」
こうなるとスピードは激減。なるべく右ひざに負担がかからないよう主に左足の力で漕いでいくことに。しかし、上りはさすがに両足で踏まないと自転車が坂を上らない。、ダンシングしようとすると右ひざに激痛が走るので、ひたすら座ったままのがまんの走り。それでも痛みがなくなるわけではなく、大きな波が来るたびに「いっ!」「ぅくっ!」と小さな悲鳴をあげてじりじりと進んでいくのでした。こげどもこげどもペダルは重く、ふだんならあっちゅーまに上りきれる坂の長いこと…(輪をかけて、どうやらこのときブレーキシューがリムに少し当たっていたらしい。次の休憩所で発覚した。そりゃ重いわ!)さきほどちぎったはずの小学生たちに抜かれ、ついには1番最後のグループに吸収される始末。この後ろは…回収バス!
……やばい、本当に完走が危うい。
←パンフレットに燦然と輝く「収容します」の文字。恐ろしい!
上り坂でヒイヒイ言っていると、小学校低学年くらいの女の子とお母さんのペアが真後ろに迫ってきた。女の子は見るからに小さくて、子供用の自転車を一生懸命こいでいる。お母さんはものすごい勢いでその子を励ましている。「ほらがんばって!!」「もう少しで頂上だから!!」「がんばってこぐの!!」たぶんずーっとこの調子で応援しながら2時間走ってきたんだろうなあ。それもすごいぞ。そして聞こえてきたお母さんの一言。
「この坂を上ったらあとは下るだけだよ!下ってすぐ休憩所だから!」
ほんとですかっ♪!!よし、いっちょここはこの応援を自分もいただいて女の子と一緒にがんばろう、と親子と一緒に坂の頂上を目指すことにした。「がんばれー!」の声援を(勝手に)背に受け、女の子とともに坂を駆け上がる。あとちょっと…あとちょっと……よっし、頂上ゴール!!
そこで女の子とともに私が見たものは、下りの先にまだまだ続く上り坂だった。……お母さんのうそつき。と私と女の子は同時に思った、に違いない。
やや。自転車も人生も甘くはない。
続く