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←太平洋ともこれでおさらば。結局最後まで灰色の海だったけど、名残惜しい。
いまからあの雲の彼方へと登っていくのです。がんば!→
知床峠頂上まで標高差約750m、距離約16km。この旅唯一にして最大の登りです。
と書いたけど、実際に登ってみるまでどんな坂なんだかピンと来なかったんですけどね。
登り始めて早々に鹿と出会い、しかもじっと見詰め合う。幸先良いなあ、ふふ。
勾配はびびってたより緩く一定だった。確かにかなり速度は落ちるし、けっこう踏まないと進まないけど、逆に「踏んでりゃいつかは着くな(当たり前だ)」と思えるくらいのもので、ちょっと胸をなでおろす。「来るんじゃなかった!」というような坂でなくて本当に良かった。
ときおりバイカーやチャリダーとすれ違う。彼らはもう峠を越えて来たのだ。私が峠を超えるのは何時間後だろう…そんなことをぼんやり考えながら軽く手を上げ挨拶を交わす。
ずっと踏み続けているうちに、体がホカホカして汗が滲み出した。防寒用に着ていたレインスーツをたくし上げる。腕や脚に触れる空気が冷たくて気持ちいい。それもつかのま、すぐに全身がまた熱くなる。上行くころにはどうなっとんやー。
まだ追い越されてないよなー…と思っていたら、バイクの音が後ろから聞こえた。もしや!振り向くと、赤と白と緑色のカラーリングのバイクが見えた。やっぱり!宿で一緒だったおにいさんだ!彼が手を上げた。私も大きく手をあげる。あっという間抜かされ、すれ違った後も私たちはブンブンと大きく手を振り合い、そのうち彼は坂の向こうに消えていった。
会えて良かった。まるみにいる間に抜かされてしまったかもと思っていたから。こういうの、旅っぽくてうれしい。
(もしかしたら彼もまるみで食べていたのかしら…)
途中、草の中に座り込んで補給食を食べる。旅のお供はカロリーメイト。フルーツ味が一番好き。最近出たポテト味は「お菓子なの?スナックなの?主食なの?」という不思議さ。まずいわけでなく。
一息ついて、ボーッと景色見ながら食べてるときって結構幸せ。
峠まで3分の1くらいを走ると若干斜度が上がり(たぶん)、つづら折りの坂になる。両脇に広がっていた白樺の森林も、だんだん樹木の高さが低くなっていく。そして気温も。
途中ですれ違ったバイカーさんに声をかけられた。
バ「寒いねー」
私「寒いすねー」
バ「上(=頂上)はもっと寒いよ!」
彼は分厚いバイクジャケットを着ているにも関わらず、凍えているような表情だった。寒風に吹きつけられ下ってきたのが相当堪えているようだ。
「マジですか!?」と驚いてみせたが、私は内心「それはありがたや」とつぶやいた。すでに1時間以上上り坂をこぎ続けているのだ、体はホッカホカ通り越してあっちんちん状態に。
さらに1時間以上つづら坂に堪え、峠付近までやっと来たときにはなんと雪が!→
そりゃ寒いわけですよ、雪が溶けずに残ってるんですから。冷たい空気が体を冷やしてくれるようになったので、脱いだ上着を再びまとう。
そしていよいよ最後の登りに向かってアタック!
ギアを重くして立ちこぎを始める。たとえ力尽きてもあとは下るだけだ、そう思うとグングン踏んでいける。さっきまでゆっくり動いていた景色が見る間に後ろへ消えていく(あくまでイメージです)。
カーブを曲がるとその先に観光バスや人が見えた。そこからは少し下って最後に軽い上り。最後まで踏み切って「知床峠」と書かれた標識の真下にゴール!!
3時間の長い登り。自分で自分に山岳賞をあげたい、と思った。
車で来た人が「自転車で来たの?すごーい」と声をかけてくれる。
えへん、と誇らしい気持ちになる。でも本当は誰でも自転車で登れるんですよ!と教えてあげたかった。自転車のいいとこは年齢や運動神経を選ばないとこだと思うのです。
←頂上からの景色。く、雲で見えないー(泣)。
手前の青いプレートによると北方四島が見えるはずなんですが…。
羅臼岳もすぐ横に見えるはずが、雲に隠れて見えず。
晴れていたら絶景が楽しめたんでしょうけど、天気ばかりはしょうがないですね。
上りがあれば下りがある!ということで、下りへ続く。